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OJTリーダー×若手社員座談会

左から、加藤 舞華、坂元 拓也(OJTリーダー)、水谷 剛士、菅井 祐太(OJTリーダー)
誰にでもある「不安」を乗り越えて
――若手社員のお二人に伺います。入社前に不安はありませんでしたか?
加藤 理系の学部出身ではあるものの、プログラミングを授業で少し学んだレベル。開発本部の配属が決まっていたこともあって、技術的な部分に不安を感じていました。入社後の基礎研修やOJTを通じて、徐々に不安を解消していった感じです。
水谷 ITに関する知識がなく、理系でもない。「THE文系」だった私は、入社日が近づくにつれて、どんどん不安になっていきました。ある程度の覚悟をして入社を決めましたが、やはり漠然とした不安は拭えなかったですね。先輩方はどうだったんですか?
菅井 学生時代に学んだのは、ITの基礎の基礎。もちろん、自信なんてなかったし、「社会人始まるわ……」なんて不安を感じていたくらい。ただ、いきなり活躍できる人なんて、そうはいません。本当に大切なのは、入社してから学んでいくこと。不安になるのは、みんな同じだから、OJT期間の初めのころは雑談を中心に、できるだけリラックスしてもらおうと思っていました。
坂元 私の場合は、「社会人になる」という実感があまりなかったんですよ。ただ、配属初日に些細なミスから、大事には至らなかったもののちょっとした事件になった。 メンタルが強くなったし、社会人にさせられた感じがしました(笑)。ただ、新人のミスなんて、周りのサポートでどうにかなるもの。私自身が助けられた経験があるから、若手のみんなには、恐れることなくのびのびと仕事をしてほしいと思っていました。
――OJT期間は活躍に向けた基礎をつくっていく大切な時期です。バディを組んだ先輩後輩の第一印象を教えてください。
菅井 水谷さんと話してみて、「おとなしくて、繊細なのかな?」という第一印象を持ちました。けれど、それは大きな間違いでしたね。度胸があって、堂々としている。実際は「何事にも動じることなく、どっしりしている」でした。
水谷 不安だった私に、フランクに話しかけてくれたのが菅井さん。物腰が柔らかく、優しい印象を持っていました。ただ、仕事ではすごく忙しく活躍されていて……(笑)。質問しに行っていいものかと、チラチラ見ながらタイミングを伺っていました。
坂元 IT未経験で開発チームに所属するということで、最初はかなり不安そうだった加藤さん。真面目で着実、勉強熱心な印象を持ちましたが、実際はそれ以上に「完璧主義なコツコツ型」でした。疑問点をexcelにまとめるなど、学習意欲の高さで成長も早かったです。
加藤 仕事や判断が速く、指示内容や作業内容も的確。坂元さんは「数年後にここまで成長できるのだろうか?」と私を不安にさせた人です(笑)。わからないことだらけで質問ばかりしていましたが、丁寧に、わかりやすく、私が理解できるまで寄り添ってくれました。

OJTで広がる、それぞれの「可能性」
――OJTを通しての学び・成長について教えてください。
加藤 技術的な知識の習得はもちろんですが、「他者の目線」が非常に重要であることを学びました。以前は「自分一人で解決できること」がベストだと考えていたのですが、先輩による成果物のレビューや、フィードバックによって、「ひとりでは気づけなかったこと」に気づき、自らの視野が大きく広がっていくことを学びました。また、OJT期間中に先輩方と取り組んだ業務効率化プロジェクトでは、一歩を踏み出してチャレンジすることの大切さを実感できたと思っています。未経験の言語である「C++」や「Linux」にチャレンジするなど、消極的だった自分の殻を破るきっかけをいただきました。
水谷 何ができていて、何ができていないのか。菅井さんに伴走していただくことで、「自分の現在地」を理解できたことが大きかったと思っています。システムの維持・整備を担う私たちの仕事には、開発部門のように成果物があるわけではありません。やる事なす事すべてにおいて、アドバイスや注意点をいただき、まっすぐに仕事に向き合えることに心強さを感じていましたし、少しずつステップアップしていく実感を得ることができました。「私も同じような悩みを抱えていた」といった体験談を交えた指導には、先輩と同じプロセスを歩めている安心感がありました。
――OJTリーダーを務める上で、どのようなことを心がけていましたか。
坂元 専門知識の習得においては、今知るべきこと、まだ知らなくてよいことを見極めながら、段階的に知識を伝える工夫をしました。基礎から応用へとつなぐ流れをデザインすることで、膨大な知識にパンクすることなく、順調に成長してくれたと思っています。私自身も相手の理解度に応じた伝え方を意識するようになるなど、大きな学びがありました。
菅井 成長の速度やプロセスは、人それぞれです。常に意識していたのは、水谷さんの個性に寄り添うことでした。教育とお節介の境界線はどこなのか。答えを伝える「ティーチング」と、自らの気づきから学んでもらう「コーチング」をいかに使い分けるか。彼自身がしっかりと自分の業務に対し、できたこと/改善が必要なことなどの「棚卸し」をしてくれていたので、こちらもサポートしやすかったです。

――OJT期間中、若手社員の成長を感じたエピソードを教えてください。
菅井 「水谷さんは度胸がある」と言いましたが、それを象徴するエピソードが緊急時の障害対応です。彼は、周りの先輩が休暇を取っているときや、出張でいないときにかぎって、障害対応に直面するという「不思議な運」を持っているんです。かかってきた電話に躊躇することなく対応し、「いってきます!」とパートナー企業を引き連れてお客様のもとに飛んで行ったそうです。新人時代の私だったら、うろたえていただろうなと思える場面で、しっかりと役割を果たす。「本当に1年目か」と頼もしさを覚えました。
水谷 確かにそういう場面に出くわすことが多かったですね……。ログ情報を取るために、ひとりで基地に行ったときに、たまたま障害が発生したこともありました。お客様から「キミ、持ってるね」なんて笑われてしまったくらいです。もう、お客様のところに行かない方がいいんじゃないかなとも思いました(笑)。
坂元 加藤さんは持ち前の勉強熱心さを発揮して、常に成長を感じさせてくれる後輩でした。初めて基本設計の業務に取り組んだときも、疑問点を整理して的確に質問し、教わったことを次の業務にしっかり活かしている姿勢に感動しました。印象に残っているのは、私が異動する日に花をプレゼントしてくれたこと。その気遣いが何よりうれしかったですね。
加藤 感謝をかたちにしたかったんです。とくにありがたかったのは、週に一度、面談する機会を設けてくれたこと。仕事の話だけで終わることなく、引っ越しのアドバイスやオススメ家電の紹介などの雑談に癒やされました。私自身、仕事に集中しすぎて、パンクしそうになる傾向があったので、オンオフの切り替えをサポートしていただけたと思っています。
それぞれが思い描く未来に向かって
――OJT期間の感想と今後の目標を教えてください。
加藤 C3ISのOJT制度は私にとって不可欠なものでした。「人に聞くこと」を躊躇してしまう私でも「OJTの先輩だから、気軽に聞いてみよう」と思うことができましたし、わからないことをそのままにせず、早期に解決することができました。寄り添ってくださった先輩のおかげで、未経験の技術や仕事に対しても、積極的にチャレンジする姿勢が芽生えたと思っています。言われたことをこなすだけでなく、先回りして期待を超える価値を発揮できる。先輩のように「必要とされる人材」になれるよう精一杯精進していきたいです。
水谷 どれだけ忙しい中でも、相談や質問の時間を捻出してくれる。私の個性や考えを尊重して、ご自身の経験を語ってくれる。菅井さんにOJTリーダーになってもらえたことを心から嬉しく思っています。目指すのは、熟練のプロフェッショナルであるチームの先輩たちに、安心して仕事を任せてもらえる「隅々まで考えを巡らせられる」システムエンジニアです。OJT期間は終了し、菅井さんもグループ会社に出向中ですが、この絆がなくなるわけではありません。これからもお世話になります!
――OJTリーダーから、これからを担う後輩にメッセージをお願いします。
坂元 防衛システムの開発は長い期間をかけて行われます。加藤さんが入社時から携わっている今のプロジェクトも、ようやくプログラミングが始まろうとしているところ。リリースまでの一通りを経験した後、次のプロジェクトからが飛躍の舞台になると思います。今度は、加藤さんが開発の主戦力となり、後輩たちを導く役割を担っていってください。所属部署は変わりましたが、私たちはこれからも職場の仲間。何かあれば、気軽に相談してほしいですね。
菅井 上司や先輩から教えられ、それをもとに仕事に向き合う。最初は誰もがそのプロセスを経て成長するものですが、やがて、それぞれの強みやスタイルを活かして、多様なプロフェッショナルになり、自分にしかできない活躍をしていくことになります。自分なりの仕事ができるようになり、周囲から頼られるようになる。そうなれば、完全に一人前です。私が水谷さんに質問する日を楽しみにしていますし、その流れを未来の後輩にもつなげていってほしいものですね。


システム理工学専攻

基盤理工学専攻

2024年入社
英語英米文学専攻

理工学部卒